Runner’s highというのか、なんだか延々と走れたことは確かにあった。
タイムとか距離とかを考えずに、ひたすら前を向いて走り、ここらへんで帰ろうと折り返した…特別フルマラソンを走ってみたいとか考えなかったし
ストレス発散と程よい運動のつもりだったんだけど
酒もタバコも普通に嗜んでたし、不規則な生活をしてた筈なのに
ウィークエンドランナーだった頃、やっぱり体力の充実を感じてたし、毎年寒くなるとひいてた風邪もひかなくなってたと思う
軽くフォームとか、2年目3年目あたりからはタイムも気にするようになったんだけど
寒い時期の話で、春から秋にかけては、もっぱらのんびり走ってた
それが良かったんだろうと思う。
幸い膝も悪くならなかったし、腰痛持ちだったけど支障を来さなかった
バーゲンで買ったシューズで直ぐ始められて、意思次第で続けられるというのが良かった
とにかく「走る」というのは、意志の力で出来るって事なんだけど、それなりに負担もかかるというのは間違いないと思う
焦らずのんびり、出来ればそれなりの距離を稼ぐ走り方でスピードとかを追い求めない方がいいような気がする
体が許すのであれば歩くよりも早歩きの延長線上のランニングの方が、確かに理に適っているような気がする
この本にも、そんな事が書いてあったと思う
ノンフィクションだという事なので、一応というか、基本、全て事実なんだろうけど、個人的にはフィクションというかスポーツ・エンターテイメントか、サイエンス系エンターテイメント風に読めた
一冊の本として、物語として、話として、面白かった。
最初に5分の1ほど読んで、間を挟んで、残りは一気に読んでしまった。
なかなかのボリュームの本なんだけど、いくつかの話が錯綜して入ってくるんで、テンポが変わりそうで、変わらないのは翻訳本というのもあるんだろう
馴染みにくい人名が登場人物をごちゃごちゃにさせるんだけど、なぁに、一人二人の名前さえ覚えておけばいいや、というテキトーな読み方で大丈夫
科学的、非科学的な話がポンポンと出てくる
人類学みたいな話からスポーツ科学に繋がる所で、見事にツボに入ってしまった
「男は30過ぎあたりで誰もが走り出す」筈、というのが持論だったんだけど、訂正。
「人は、いつかは、誰もが一度は走り出す」筈、と
基本はスーパーマラソンレースみたいな話なんだけど
走るのが商売ではなく、生きることは走る事、走る事は生きることみたいな人が次々出てきて、極めつけは、魅力的な、マラソンマンな原住民
多分、登場人物の誰かに読者は似てる事に気づき思い入れが始まるんだろうというくらい、いろいろな人が出てくる
性別も年齢も関係なく、誰しもが挫折し、再び走り出してる
唯一、簡潔な描写でしか語られていない人々がいて、彼らのようになりたいなぁと素直に思った
走る事に長けているというのではなく、生き方というか、人との接し方というか
そんな事までを考えてしまう本だっていう事
出来れば上下巻じゃなく、分厚くなるの覚悟で一冊にまとめた文庫になって欲しい
走った事がある人、走っている人、これから走ろうと考えている人、特に走ろうとは思ってない人、でも走ろうと思えば走れるであろう全ての人に